最初に断っておくけど、Stellaの場合、バレエ用語は全然詳しくない。初心者だからね
だからこのブログの目的は用語解説ではありません。語学に関する雑談と思っていただきたく。
バレエに詳しい皆さん、解説に間違いがあったらごめんなさい。とあらかじめ謝っておく。 笑
なのでバレエまたはフランス語に興味がある人に、「へぇー」「面白い」「なるほど」と少しでも思ってもらえたら、嬉しいです (*´∀`*)
★の数ほどある用語なので、Stellaが見聞きしたことあるものに限られますが、行きまーす
★鑑賞編★
エトワールétoile
皆さまご存知、 星の意味。パリオペやスカラなど特定のバレエ団の最上位のダンサーに対して使われる呼称。(他ではプリンシパルなどと呼ばれることが多い)
通常の意味で用いる場合は女性名詞だけど、バレエのエトワールの場合、男女の区別があるためun, uneと不定冠詞を使い分けます。でもたいていの場合定冠詞がついて男でも女でもl'étoileとなるので、あんまり難しいこと考える必要なし。
イタリア語では『星』はstellaですけども、バレエでいうエトワールはやはりイタリア語でもétoileといいます。
パ・ドゥ・ドゥ Pas de deux
2人で踊ること。ちなみに仏語の場合は複数型にしても発音・綴り共に同じ。なぜなら語尾がsだから複数形も同じ。
イタリア語ではpasso a due パッソ・ア・ドゥーエ (複数型はpassi a due)
パ・ドゥ・トロワ Pas de trois
3人で踊ること。
コール・ド(・バレエ) Corps de ballet
群舞のこと。仏語でcorpsはボディ(体)のこと。語尾のpsを発音しないため、「コール」となる。
Stellaは昔、「ド」の前で切れることを知らなかったので、「コールド(cold)」だと思っていた。笑
★バレエ・レッスン用語 基本の基本★
Stellaみたいに、全くバレエ初めての人は、レッスン時にこの辺りの言葉とその動きから習います。
パ pas
パはステップという意味。
pas à pas (パザパ)は一歩ずつ、少しずつ。Step by stepてことです。全く同じ綴り・読みで否定文に使うpasとは別物です。
アン・ドゥオール en dehors
外側に の意。反対に内側に はen dedans(アン・ドゥダン)
バレエでは常に骨盤を開いて脚をアン・ドゥオールにしなくてはならないので、初心者Stellaはいっつもここ苦労するのよね~
dehorsは単に「外に」「外で」という意味ですので日常会話でもよく使います。同様の表現でà l'extérieurがあります。便利&やや上級のイディオムでは、en dehors de~を覚えておくとよいでしょう。「~の他に」「~以外では」という意味です。例えば
En dehors de ça, il faudrait aussi un couteau.(それ以外に、ナイフも必要だ)
En dehors de cela, le programme reste inchangé.(この事を除けば、プログラムは前と同じだ)
などなど。
プリエ plié
動詞plierの過去分詞。plierは折りたたむ、曲げるという意味(英語のfoldやbendにあたる)
膝を曲げる動作。ポジシオンの1番、2番、4番、5番、6番それぞれで行う。ドゥミ・プリエはかかとが浮かないところまで。グラン・プリエは(2番以外は)かかとが浮いてしまっても可で下までしゃがみ込みますが、ギリギリまでかかとはつけたまま、戻るときもかかとはなるべく早く戻して上がってきます。
Stella、アキレス腱短いからかかとがすぐ浮いちゃうのね~(T_T)
ルルヴェ relevé
持ちあげるの意。かかとを持ちあげつま先立ちになる動作。
タンデュ(タンジュ)tendu
緊張した、張り詰めた、硬い、タイトな、の意。
バレエのレッスンでは脚をぴんと伸ばした状態で前後左右に出したり戻したりする所作を繰り返し行います。
肩が凝った、脚の筋肉が張っている状態などもtenduで表すことができます。
「今日仕事が(あるいはスケジュールなどが)タイトなんだよねー」なんて言いたい時も、C'est vraiment tendu aujourd'hui.(カジュアルな表現)などと言ったりします。
デガジェ degagé
(邪魔なものを)よける・取り除くこと。バットマン・デガジェなど。
動詞degagerの日常フランス語での頻出用法としては、(une) vue degagée良い見晴らし(アパルトマンの広告などによく用いる)、Degage-toi! (これは乱暴な言い方なのであまり使って欲しくないですが)「そこをどけ!」(車を運転しててイラついた運転手がよく使ってます)など。
バットマン battement
叩くこと。片足で立ちもう片方の足で打つ動きをすること。トントンと床を打つイメージでしょうか。動詞形はbattre(バットル)。 ドラムとかを打つ時もこの動詞を用います。
フェッテ foutté
fouetterは鞭で打つこと。料理で泡立てるという時もこの動詞を使います。上記のbattreに比べてもっと激しく打つイメージが伝わるでしょうか。ちなみに皆さん「フェッテ」と発音しますが仏語ではどちらかというと「フエテ」に近いはず。
crème fouettéeはホイップされたクリーム。日本ではあまりないけど、フランスのスーパーには必ず、泡だてる手間の要らない缶入りのホイップクリームが売ってます。
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フランスでよく見かけるcrème fouettée。 |
アン・クロワ en croix
croixは英語のcross、十字架のこと。タンデュを前・横・後ろ・横・前と順番に行う動作。
赤十字はcroix rouge。当たり前だけどどこの国でも赤い十字架っていう呼び方をするのね~
フォンデュ fondu
溶けた、の意。チーズフォンデュやフォンダン・ショコラなどでおなじみですね。
クペ coupé
couperは切る・カットすること。日本だとよく「クッペ」と発音されていますが実際は「クペ」のほうが近いです。
普通によく使います。couper en deux (クペ・アン・ドゥー) 二つに切る、couper en dés (クペ・アン・デ) サイコロ状に切るなど。レシピ本では頻出イディオムです!
パッセ passé
通り過ぎるの意。
片方の脚のつま先をもう片方の脚の膝の位置まで持っていく動作。
トンベ tombé
落ちる、落とすの意味。バレエでは片足で踏み込んでプリエに持っていく動作。
口語の仏語でよく使うものに、Laisse tomber(レッス・トンベ)があります。英語に文字通り訳したらLet it drop、ニュアンスとしてはForget it、あるいはLeave itに近いですが、あきらめろ、仕方ない、もういいよ、などの意味です。イタリア語ではLascia stare(ラシャ・スターレ)と言うようです。
シャンジュマン・ドゥ・ピエ Changement de pied
足の位置を交換すること(5番で踏切り、ジャンプして前後逆位置の5番で着地する)。形が似ているのでお気づきかと思いますが動詞changer(シャンジェ)は英語のchangeにあたります。
パ・ド・ブレ pas de bourré
bourréは詰め物をした、の意。どうしてこのパにこういう名前がついたのかナゾです。
シャッセ chassé
chasserというのは狩りをする、追いだすの意。片足が片足を地面を擦るようにして追いかけるパ。
グリッサード glissade
glisserは滑るの意。滑るように行うパ。
動詞glisserはたまに使います。
(床が)滑るから気をつけて! Fait attention, ca glisse! (フェ・アタンシオン、サ・グリッス!)などと言う場合。
★体の部位★
ブラ bras
腕。応用:「ポール・ド・ブラ」など
ピエ pied
足。
ク・ド・ピエ cou de pied
couは首、piedは足ですから、cou de piedは文字通り足首のことです。
ジャンブ jambe
脚。応用:「ロン・ド・ジャンブ・アン・レール」など
キュイッス cuisse
太もも。フランス料理のメニューなんかでよく見かける単語ですが
ド dos
背中。
★腕の動き★
ポール・ド・ブラ port de bras
腕の運び。あるポジションから他のポジションへの腕の動き。
アン・オー en haut
hautは「高い」という形容詞であり、「高いところ」「上」という名詞でもあります。
アン・オーは「上に」という意味ですので例えば腕のポジションを指す時によく使いますね。
アン・バ en bas
basは下の意なので、腕を下に下げて置くポジション。
En basは普段からフランス語会話でもよく用います。例えば
Il est ou?(彼はどこ?)
(Il est) en bas.(下の階よ。)
のように。地下階を特定して言う場合はau sous-sol (オ・ス・ソル)と言います。Sousは~の下という意味です。日本で言う一階はrez de chaussée (レドショセ)。日本の2階はpremier étageです。ひとつずつズレていますのでお間違いのないよう。
ア・ラ・スゴンド à la seconde
secondeは2番目ですから、2番目のポジションに、というのが文字通りの意味。腕を真横より少し体の正面側に置くこと。
アナヴァン en avant
は前なのでen avantは前にという意味。仏語会話では使われたの聞いたことないです。「~の前に」という場所を表す時は、devant(ドゥヴァン)~という言い方をします。例えばあなたの目の前に、と言いたければdevant toi (ドゥヴァン・トワ)だし、家の前だったら、devant la maison (ドゥヴァン・ラ・メゾン)。
また~d’avant (~ダヴァン)という言い方もあり、la maison d'avantと言えば「(何かの)その前の家」を指すことになります。例えば、「○○銀行があるでしょ。その前の家よ。」
★もうちょっとアドバンス★
パ・ド・シャ pas de chat
chatは猫、pasはステップのことなので、猫のような歩き方というのが語源です。
お菓子のラング・ド・シャは猫の舌の意。形が舌のように細長いからですね。
ロン・ドゥ・ジャンブ・ア・テール rond de jambe à terre
脚で半円を描く動き。
rondは丸い・太ったという意味の形容詞、あるいは円という意味の名詞です(英語のroundと似ていますね)。
ここで「ロンポワン」の話をします。ロンは丸い、ポワンはポイントですから、さて何でしょう。
パリの有名なシャンゼリゼ通り(Avenue des Champs-Elysées)は、ご存知凱旋門(L'Arc de Triumph)から始まり、コンコルド広場(Place de la Concorde)まで続く大通り。この途中に、ロン・ポワン・デ・シャンゼリゼ(Rond point des Champs-Elysées)という六差路があります。
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3本の通りが交差するRond point des Champs-Elyséesを上空から見た様子。 |
ロンポワンというのは、信号のないところで車が交差できる場所(英語でいうとRoundabout)で、凱旋門の周りも厳密に言えばロンポワンです。そこまで大きくなくても、フランスやヨーロッパの国々で車を運転すれば嫌と言うほど沢山のロンポワンを通ります。
ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール rond de jambe en l'air
en l'airは「空中に」の意味ですので、上記の「ア・テール」を空中でやるバージョンてことです。
アロンジェ allongé
伸ばす、長くなるポーズ。アラベスク・アロンジェ、アティチュード・アロンジェなど。
日常会話でのアロンジェは、主に2つの用法で使います。ひとつは「横たわる、寝そべる」もう一つは「薄める」の意。Café allongéと言えば、いわゆるアメリカンコーヒーのこと。直訳のcafé américanは通じませんしメニューにも通常はありません。
ランヴェルセ remversé
ひっくり返す、裏返すの意。
Stellaの恩人Gさんによれば、「ランヴェルセは先ずアチチュードで経って、上体を反らせながら回転して向きを変える動き」。解説うまいっ!
シェネ chaîné
chaîne(シェーヌ)が鎖(英語のchainと綴りがそっくりですね)ですので、
フランス語の語学用語でアンシェヌマン(enchaînement)やリエゾン(liaison)というのがあります。これらは、通常だと発音されない語尾の文字の直後に母音が来た時、連音として発音される現象。
このおかげでフランス語がなめらかに美しく聞こえると言われています。
例えば
Mon ami est un avocat. (私の恋人は弁護士です)
という場合、モン・アミ・エ・アン・アヴォカではなく、「モナミエタナヴォカ」となるわけです。
estは英語で言うbe動詞の3人称単数ですが、単体の発音としては「エ」で、sもtも発音されません。
ところが次に来る単語が母音で始まる場合、上記の例のようにtの文字が生きてくるというわけです。
★上級テクニック★
マネージュ manège
メリーゴーランドのこと。ジャンプしながら大回転する様子がメリーゴーランドのようだからでしょうね。Stella、これ見るのが大好きなの❤
あーつかれた。
また今度気が向いたら第2弾やるねー
fin.