2012年11月23日金曜日

北京バレエ鑑賞旅行記(3)〜ギエム・ムッル「Marguerite and Armand」〜

11月16日(金) 「エチュード」「マルグリットとアルマン」初日


★チケット予約の仕組み★

中国国内での公演は、実はチケットを取るのが大変である。
苦労の末Stellaの手元に届いたチケット。

①語学的なハードルが高い。

サイトはEnglishっていうのを押しても基本英語が出てこない。つまりは外人に対して販売する気がない。中国語ができない人は翻訳ソフトで自力で解読しましょう。固有名詞(ダンサーとか演出家とか作曲家とかの名前など)は翻訳しても出ないから、写真が出なければ自力で推測しましょう。(Stellaも马西莫·慕鲁=マッシモ・ムッルとか、気合いで解読しました)

②出演者や演目含め、情報が遅い。

チケット発売の時期も明確にされているわけではないのでいつ発売になるのかわからない。一般的に言って2カ月前。
結論から言うとこまめにホームページをチェックするしかない。
最初はただただ、世界的スターのシルヴィ・ギエムが来るとの情報しかなかった。Stellaはマッシモ本人から聞いてたから情報無くても来ると信じてたけど、それでもやっぱり「リアレイ」の方は実はニコラとだって分かったのはだいぶ後だったから、休み取るのがかなり厳しいタイミング、分かっていたらマッシモだけに絞って最短に出来たのに…と思わなくもない(実は11/16金曜日だけ休めば済む話だったというのは結果論)。

Stellaの友達の友達の友達が国家大劇院に勤めているというから、いつから発売くらいは知ってるかと思いきややはり知らなかったし、東京バレエの北京行きがキャンセルになった(http://i-diari-di-stella.blogspot.jp/2012/09/blog-post_26.html)時も、その子は結局シルヴィの公演自体がキャンセルになるのか、違う演目でやるのかさえ知らなかった。つまりすべてにおいて情報が遅いのである。

③現実的には北京現地にいないとチケット受け取りができない

オンライン予約は可能だが、オンライン決済ができない。予約後1日以内とかに劇場窓口で代金を払いピックアップするという仕組み。外国に送ってくれるシステムも送金や振込もできないため、海外にいてチケットを買うのは不可能ということになる。

④中国への送金が難しい

それでも果敢にチケット入手を試みたStella。友達の友達を通して買ってもらおうとしたが、いざその子の銀行口座にお金を送金しようとみずほ銀行に問い合わせたところ、「現在政府間の問題の影響で送金がしづらい状況となっております。送金がどうしても必要な場合は、パスポートなどの身分証明書、送金目的の証拠になるようなもの(メールなど)云々を添えて提出していただくことになります」と。
むむぅ・・・ここにも尖閣問題!天に向かって毒を吐いてみても、何時ものように祈ってみても、流石にこればかりは…

というわけで、色々面倒なのである。
つまるところ自分では前もって予約するのは無理。面倒なこと(予約、立て替え、取りに行く等)を頼める間柄の知り合いがいなくては不可能ということになる。
Stellaは幸い北京駐在している友人に頼んでみたら快く引き受けてくれ、その友人の中国人アシスタントが劇場窓口まで行ってピックアップしてくれた。感謝感激雨あられ~~~


★国家大劇院★


噂には聞いていたけど、イマハチだった、中国の観衆&劇場。

国家大劇院はデザイン自体は斬新ですばらしく、圧巻。なんだけど、舞台装置に不備?があってカーテンがうまく閉まらない事が初日に1度あったし、ときどき照明さんがうまく主役にライト当たってないかも的な瞬間も。

実際劇場に来ている人達はというと、こういう言い方失礼だけど、特別文化的でもなければブルジョワ的でもない。
VIP席(日本でいうS席)は680元(約9000円)。中国人の平均的収入を考えたら、べらぼうに高いはず。2元で地下鉄に乗れてしまう街で、ミネラルウォーター500mlが1~2元で買えちゃう街で、680元だゼェ??感覚的には1元=80円くらいかと推測するに、680元は5万円は超えるイメージ。
てっきり成金風の金持ちが来ているものとばかり思いきや、客層を見るとまず、①若い人が多い②フツーの人たちが多い(スウェットみたいのとかシャカシャカのウィンドブレーカーみたいのとか履いてる決して洗練されてない人たち)③あんたたち、バレエに本当に興味あるの???っていう人たちが多すぎ。

あのさー。別にお金が余ってて暇つぶしに来てるのかもしれないけど、わざわざ海外からトップレベルの人たち呼んだらそれなりに敬意払おうよ。
話してる人が多すぎてうるさいし、携帯は鳴るし、隣の男はLINE使ってて画面まぶしいし。思わず注意したら不服そうで、帰るまで終止こちらを見ていた。ふんッ。
他にもあちらこちらで、フラッシュたいて写真撮るわ、携帯で動画撮るわ(飲食物とカメラは劇場内に持ち込めないからスマホでね)もう呆れるは腹立つわ。




★最悪の「エチュード」★


こんなヒドイの観たこと無い。と思った。
おいおい。
東京バレエの「エチュード」はもっとうまかったぞ。
北京舞踏学院附属中等舞踏学校の皆様。いくらジュニアでも人から金取るならもっと頑張りましょう。
ワン・チーミンだけが救いだったけど、彼女も不調。


いくらマッシモ目当てで来たといっても、680元も払ってるからなぁ~~~。はるばる北京くんだりまで旅費かけて来てるからなぁ~~~

溜息。


★マッシモとシルヴィの「マルグリットとアルマン」★

ドキドキの開幕。

冒頭の病床にあるマルグリットの部屋の背景には、5月にミラノで見たバージョン(個人的にイマイチと思った)とはまた違うマッシモの特大写真が映っている。
あゝもうっ!毎回じれったいけど、このセットだと白いシースルーのドレープカーテンが邪魔して、マッシモの麗しい姿がよく見えないっ‼

全身白の衣装に身を包み、マッシモ登場。
調子、いいかも!
俄然嬉しくなるStella。


去年のHope Japan以来久々のシルヴィ姐さんも、マルグリットの赤いドレスに身を包み、艶やかな笑顔で元気そうである。


彼女を取り巻くグルジア国立バレエの男性ダンサーの皆様も、お久しぶりです。6月のニーナ・アナニアシヴィリ来日公演以来ですわね。皆さん相変わらず濃ゆいですね…

ダンディーなアンソニー・ダウエル様も健在!彼の演技力で、俄然作品全体に深みが増す。


あゝ、やっぱり素晴らしい。シルヴィ様!

そしてマッシモ。
完璧主義のシルヴィと踊るときは、プレッシャーも相当だろうから、緊張して硬くなってないといいけど…とStellaの勝手な心配をよそに、なんとまあ!ものすごい安定感。安心して見ていられた。
全身の力がうまく抜けて、演技に没頭している。相変わらず愛情表現は細やかで情熱的(内向的だけどやはりイタリア人ねとこういう時思う)、「黒」のシーンの怒りと苦悩は、息を呑むほど。
いつかのダンスマガジンのインタビューで、「シルヴィの目の中を覗き込むだけでいい」なんて発言もありましたが、本当なんだなあと納得した。この2人は信頼し合っているのねと感じられる舞台でした。

ピアノ伴奏はスカラでも弾いてたダビデ氏。さすがは女王シルヴィ様、初の中国公演は豪華ベストメンバーで臨むっつー心意気が充分伝わります。


★出待ち文化のない国・中国★

さて、知り合いもいず、コトバも通じない北京の劇場でいったいどうやって楽屋口を探そうか?これはStellaが出発前から懸念していた問題である。とはいっても当日劇場で英語話せる人つかまえて聞くしかない。
しかーし!英語話せる人率1%以下の街・北京。国家大劇院と言えども英語をマトモに話せる輩はゼロに等しい。思った以上に難関である。

かろうじてクロークのとこにいる青年がカタコトの英語を話せるもよう。そこで「どこでダンサーを待っていたらいいの?サインが欲しいんだけど」と聞いても、いっこうに解せない様子。まさか、そういう習慣ないの???

そういえば、プレゼントやお花を預けるところも見当たらない。あとでわかったことだが、セキュリティー上の問題で、プレゼントなどを楽屋に届けることはできず、手紙も中身をチェックされるので封ができないそうである。どんだけ・・・



★バレエおたくのアメリカ人母娘★

ちっくしょー。いったいどこなんだ、楽屋口。

国家大劇院の外をぐるっとまわったら見つかるかな?(周りは池で囲まれているからそれもなさそう)

そう思いつつうろうろしていたら、西洋人の女性ふたりがぽつんと劇場周辺にまだ残っていた。きっとお仲間だ!と思って話しかけたらやっぱりそう。

スタッフ出入り口ふうのドアの脇に警備員が立っていて、彼女たちはそこからダンサーが出てくると踏んで待っているのだとか。しかし何の確証もなく、Stellaと同じであちこち訪ねてみたけど皆「わからない」という。あるいは知っていても言ってはいけない決まりなのか、それとも本当に楽屋口という存在自体がないのか。答えがわからないまま待ち続ける。

少なくともStellaひとりぼっちで待たなくて済んだし、この母娘、シルヴィの大ファンで、彼女の行くところには飛んで出かけていくらしい。東京にもミラノにもNYにも行ったとかで、その時の話を聞かせてもらって楽しめた。彼女たちは他のバレエ団にも詳しくて、待つ間バレエ談義に花が咲く🌸


★ついに手がかり・・・!!★

60代のこのお母さん、何気にめっちゃチャレンジャーである。

通りがかる人に手当たり次第、あなた英語話せる?楽屋口はどこか知ってる?と尋ねること何人目かに、やっと中国人の若い女性で英語を話せるスタッフを捕まえることができた。なんでも、この国家大劇院が発行するマガジンの編集にたずさわっているらしい。見るからに出来そうな女の子で、しかも超がつくくらい親切。

曰く、楽屋口というのはなく、アーティスト専用の出入り口が地下にあって、ファンとは接触できないらしい。
がーーーーん。

しかしアメリカ人母娘は諦めなかった。「私たち17時間もかけて飛んできたの」「なんとかひと目シルヴィに会えないかしら」ほらっ証拠、とばかりに彼女たちがシルヴィと世界のあちこちで撮った写真を彼女に見せる。

私たちを哀れに思ったのか、「わかった。会える保証はできないけれど、サインが欲しければ私がもらってきてあげる」と掛け合ってくれた。なんて頼もしい!!しかし欲を言えば、私たちはサインはむしろもう要らないから、ひとめ会いたいのよ、一緒に写真を撮りたいのよ~。



「ちょっと見てくるから待ってて」と言って去った彼女の背中に3人のすがるような視線。しかし、しばらくして戻ってきた彼女の口からは残念なニュースが。
「もうシルヴィは帰ってしまったみたい。でも明日も来るならそれまでに何が可能か劇場の責任者に確認しておいてあげる」彼女は約束し、私たちとメールアドレスを交換。
なんて親切なのっ!!


もしかしたら、明日マッシモに会えるかもしれない。

ようやく見出したかすかな希望✨を胸にホテルへ帰ったStellaであった。

to be continued...

北京バレエ鑑賞旅行記(2)〜万里の長城編〜

11月15日(木) 万里の長城編

★万里の長城へ行くには★

優先順位の高いとこから回るというルールに従い、観光2日目は万里の長城。
16,17日はバレエの公演があるため、万が一アクシデントが起きて遅れては北京旅行も本末転倒。マッシモ見れなかったら泣く!消去法で今日しかない、ということになった。

さて、「マッシモの公演がなけりゃ北京と一生縁がなかったに違いない」とまで周囲に言われるStellaだが、せっかく来たのだから万里の長城くらいは行っておかねばとは考えていた。しかしあまり熱意はないため「ヨシッ、見た!」とか言ってとっとと帰ってきそうな予感がしていたが、やはり予感はじゃっかん的中である。


つい最近雪の日に日本人が遭難して死んでいるし、あまりツウなところに行くモチベーションは全然ない。長城の最もポピュラーな入口、八達嶺長城(はったつれいちょうじょう)は「歩き方」では「中国人観光客が多いのでオススメしない」と書かれているが、Stellaは長城の断片だけでも見れて雄大さをちょっと感じられれば良いので、ここでよしっと迷う余地なし。

ここへ行く方法は
①ツアー(ガイドがつく・割安・一人でもさびしくない)
②タクシー8時間チャーター(高いが複数個所まわるなどの自由がきく)
③バス(本数が多いが渋滞のリスクあり)
④電車(時間が正確だが本数少ない)などがある。

Stellaはなんとなくバスで渋滞とかに引っかかって時間が読めないのはイライラしそうだったから、電車で行こうと決めた。北京北駅から1時間半に一本くらいしか出ていないらしい、と北駅に着いてから知る。
ふだんはかなり計画的なStellaも、中国のインターネット事情の悪さ(全国人民代表会議のせいで、普段より接続が遅いとか、Gmailなどの接続が異常に悪いとか、電話が盗聴されているとか、いろいろあり)と、英語の公開情報の少なさと、あらゆるところでの英語の通じなさとを足し合わせて、はなから下調べという無駄な努力をするつもりはゼロ。

朝出かけるのが少し遅くなってしまったため、11時過ぎに北駅に着いてみると(注:北京市内はだだっ広いため移動にかなり時間を要する)、なんと長城行きの一番早い列車まで1時間半くらい待たなくてはならないことが判明し、そのへんのローカルなモールで時間つぶしをするハメに。でも現地のショッピングモールが見られて興味深いから良しとする。


さて電車。
これが意外や意外!!清潔&快適、そしてなんと1時間20分も乗ってたったの6元!地下鉄共通1回券のたった3倍の値段でそんな遠くまで運んでくれるの?「歩き方」には「1級は23元、2級は12元」と書かれているのに全然一貫性がなく、永遠の謎としてStellaの記憶に残るであろう。



★万里の長城へ行くには★

八達嶺長城駅に到着すると、徒歩5分くらいのところに長城入口はある。
そこから歩いて登れもするらしいけど、もちろんStellaはケーブルカーを選ぶ。ケーブルカー往復代と長城への入場料を払い、いざ乗り込もう。



雪が残っているけどさむくはない。Stellaは道産子だからこんなのへっちゃらさっ。
万里の長城は意外にアップダウンが激しくて、階段や坂の上り下りが延々続くので、いい運動になる。




ウーン、雄大。よしッ、万里の長城見た!

と、自身にオッケーを出して1時間くらい散策ののち下山。っていうか着いた時にはすでに2時、ケーブルカーは3時半にはクローズだからあまり時間はないのである。


行きは良かったが帰りが若干問題だった。さっき八達嶺駅で降りた時ちゃんと帰りの時刻を確認し、16:15てのに間に合うプランでばっちりだったはずなのに、いざ窓口で切符買おうとしたら。「1番早い北京行きは17:33」なぬ?!速攻筆談で反論するStella。16:15じゃないの?あっそう。
あと1時間以上こんな何もない駅舎でぼーっと座って待つなんてヤダ。バスなら渋滞のリスクはあれど1時間渋滞にハマったって着く時間は同じ。バスは15分ごとに来るらしいし。
てなわけでバスで帰ってきたけど、狭い…隣のおっさんのモコモコしたダウンで余計狭く感じる。電車のほうがやっぱ快適だったなー。しかもバスの方が何故か2倍高い(12元)。


★激ウマ・ローカルな餃子屋さん!!!★

大学時代のゼミの友人Nくんは、ホンダ北京支社で働くエリート?体育会系サラリーマンだ。毎晩・週末とかなりの激務で中国国内出張とかも多いらしいが、多忙ななか時間を作ってくれてご飯に連れてってくれた。




中国の餃子屋のテーブルには、無造作に生ニンニクが置いてある。これ、何?
Nくん曰く、奴らはそれを普通に食う、とか。ワイルドだぜ…いわゆる薬味みたいなもんか?
後で気付いたけど「歩き方」に載ってる料理写真の片隅にも生ニンニクが写っていた。

Stellaはねー、パクチー(香菜)が大好物だから、パクチーと豚肉(猪肉と書く)のがサイコーに美味しかったーん

餃子と言えば、我らがバレエ団のM先生こと、同僚のMさんの好物。今度Stellaんちでバレエ鑑賞会する時作ってみようかな。


★南京大飯店★

さてStellaの泊ってるホテル、窓がない部屋といえど全然快適。
清潔だし、従業員も親切。4つ星だけあって内装もきれいだし。




少なくとも今のところ、多少の不便や予定通りに行かないことがあるけれど、快適な旅。
でもやっぱ日本人のお友達がいて一緒に遊べて、大好きなシルヴィとマッシモの公演2回見れて、おまけに世界遺産の万里の長城見れたっていうのがあって初めて行って良かったー北京。って感じかしらねStella的には。常に旅には「人」の要素が大事だなーと思うし、食べ物や衛生面も重要よね。
中華料理嫌いだから期待してなかったけど、現地に知り合いがいるおかげでなんとか美味しいものにたどり着けた感じ。



みんな、ありがとう。

to be continued.

2012年11月22日木曜日

北京バレエ鑑賞旅行記(1)〜序章〜

Stellaはシルヴィ・ギエム、マッシモ・ムッル、アンソニー・ダウエル出演の「マルグリットとアルマン」を見るために、5泊6日の北京旅行に行ってきました。



「マルグリットとアルマン」は16,17日だけだから、そんなに長く行く必要なかったけど、旅行予約した当時は13,14日の「6000 miles away」(「リアレイ」「アジュー」他)にも、大好きなマッシモが出ると踏んでいたのに、結局シルヴィのパートナーはニコラ・ル・リッシュだったからそっちは見なかった。っていうか、仕事の関係上直前まで行けるかどうかも不確かだったし。
後で知ったけど、彼女の北京ツアーの最初のほうにシルヴィとファンとの集いとか、ジャーナリスト向けのインタビューとかあったみたい。

仕事の関係っていうのは、Stellaの会社の海外本社からVIPが訪問っていう行事が、なんと北京旅行の直後の週に入ってしまっていたのよーー!
これ、それ知った時の法務のマドンナとStellaのやりとり。↓






ということで断固決行された北京旅行というわけである。(*「あられ」とは法務のマドンナがつけたStellaのあだ名)


苦手な料理は中華料理、旅先は殆どヨーロッパ専門の「Stellaがまさか中国に行くなんて」と周囲に驚かれながら、そう、はっきり言って「マッシモに会いたい」以外の動機はなかった為、ほとんど何も考えずノープランで臨んだ北京。

「もう一生行かないと思うから、万里の長城くらいは行っとく?」と一応「地球の歩き方 北京」を購入。ただでさえバレエ鑑賞以外やる気のない北京旅行、情報持ってかないとホテルでずっと仕事しちゃいそう。



とにもかくにも。しばらく筆を休めていた「Stellaの日記」、マッシモネタとなれば俄然活気づいてしまうのは当たり前。
熊川哲也様(「ドン・キホーテ」観ました)、ツァオ・チー様(「シルヴィア」観ました)、かわいいシムキン君(「くるみ割り人形」観ました)、あなたたちのこと好きだけど、舞台もすごく良かったけど、レポート書く気になれなくてごめんなさい。やっぱり私は大好きな
マッシモのことになると別人のように筆が進んじゃうみたい。。。



そんなわけで何回かにわたり、北京旅行について書こうと思う。


11月13日(火) 成田から北京へ。

東京生活の長い道産子・Stellaだが、北京の地下鉄のハンパない人混みにビビる。
スーツケース持って乗るのは無謀です。お利口な皆様は安いタクシーを使いましょう。(道が混んでいなければ中心部から空港間は約40~45分、80~100元=1300円以下)

異常な混み具合の北京の地下鉄連絡通路。のろのろとしか進めない。

投宿先は北京の中心部、故宮のすぐ東にある"北京の銀座"王府井(ワンフージン)にある、南京大飯店(Nanjing Great Hotel)。とても便利な立地にある四つ星ホテルなのに、北京の平均価格と比べとても安い(シングル1泊約5000円)のは、窓のない部屋だから。窓のある部屋は平均的な価格帯で、二倍近く跳ね上がる。窓なんて日中外にいるから関係ないし、部屋も綺麗、安全でサービスも良く、朝食ブッフェもメニュー豊富で美味しい!オススメします。

南京大飯店の朝食ブッフェより。粥、点心などがおいしい


★北京名物、ダックと夜景★

北京で旦那さんと2人、中国語を勉強中の友人マキちゃんとホテルで落ち合い、早速北京ダックを食べに出掛ける。


あなたたち、そんなに鴨が好きなの??
と問いかけたくなるほど、北京市内には“北京烤鸭”(běi jīnɡ kǎo yā)の文字が散乱している。もちろん美味しいけど、他の肉の消費量と比べてどの位なんだろなんて気になるレベル。

満腹になったところで観光タイム。
国貿駅の周りには、高層ビルがいっぱいあり、我々が行ったハイアットホテルの「バー亮」と、国貿三期ビル(330m)の80階にあるバー「アトモスフィア」が有名。

ご存知、中国の都会は空気がとみに悪い。
光化学スモッグかガスがかかって、見晴らしはよくないことが殆どだとか。
Stellaはラッキーだよ、とマキちゃんは言う。この日は非常に空が澄んで夜景が綺麗だった。


ワイン三杯の値段は日本のホテル並み。さっき食べきれなかった北京ダックコースより全然高いっていう…



11月14日(水) ゆる~く観光、そしてカンフーミュージカル

★天安門広場と故宮でのっけからくじけるの巻★

王府井から故宮は歩ける距離にある。
まさか北京行って天安門と故宮見ませんでした、とかないでしょー?
と、初日はまず王道。先延ばしにして後で結局行けなかったなんてコトにならないよう、優先順位の高いとこから回ろう。

しかし!Stellaの滞在期間は運悪く全人代(全国人民代表大会)の真っ只中だった。
反政府に対する抗議行動を未然に防ぐため、昼も夜も公安 Policeと書かれたパトカーに乗った警察が街をパトロールし、天安門周辺のセキュリティチェックは異常に厳しい。
天安門まで向かう途中、100mごとに足止めを食らい、列に並び、カバンの中身をチェックされ、身分証の呈示を求められる。
1回、2回…好い加減におしよーーと思ったら、最後の天安門手前に、4列くらいに並んだ数百人の群れ。ここでStellaはやる気を失くす。

もういいっ!付き合ってられん。
こっから取った天安門の写真だけで満足することにする。ここまでウザいチェックに耐えながら歩いたのは時間と労力の無駄だったか…
ま、いいや。そもそもやる気ゼロだしね。


あとで会った現地で働く友達に、「別に故宮なんて大したことないと思うけど・・・一番すごいのは台湾の故宮に行っちゃってるしね。」と言われて、すっきりさっぱり諦めがついた。

三里屯(さんりーとん)に行こうと降りた駅で、なんと!!「マルグリットとアルマン」のポスターを発見!!
現実なんだぁ、マッシモ本当に踊るのねっ!
とやや感動。


三里屯は外国人も多い、おしゃれなショッピングエリア。
中華料理が実は嫌い(ほんとになんで中国行ったのかしらって思うでしょ)なStellaは、そこでコブサラダとかウェスタンなものを食べて昼食とする。
おしゃれって言っても、入っている店も価格帯も東京と変わらない。じゃあショッピングする意味もない、というわけで旅行前の仕事疲れが蓄積していたStellaはここにあったサロンでオイルマッサージを受けたが、価格帯はやはり生意気に東京レベル。(1時間580元)
三里屯
そのあと天安門エリアに戻ってマキちゃんと合流し、前門というエリアを散策した。

前門の商店街は美しい
ここ前門では、通りを一本入ってめっちゃローカルな食堂に果敢にチャレンジした。



この刀削麺、なんと8元(約100円)。脂っこいけどけっこうおいしい。
・・・さっき三里屯で受けたオイルマッサージ、1時間で580元だったなあ・・・ここの店のもの全部2個づつ頼んでお釣りがきそう。ここ北京ではいろんなものがピンキリなんだなぁと感じた。

★カンフーミュージカル★

紅劇場 Red Theaterというところで、舞台装置に1億円、大ヒット上演中のカンフーミュージカルを見ることにした。「功夫傳奇・カンフー伝説」。

Stellaは結局、この国にあまり興味がないために、あえて興味があるものと言えば雑技団とかどうしても踊り系になってしまう。難点はそれぞれが毎日夕方5時半とか6時半からの上演であるため、1日ひとつしか見られないことと、昼間は結局ほかのことをして時間をつぶさなくてはならないことである。
便利なのは、「歩き方」などに日本語で予約出来る電話番号が載っていて、中国語や英語が出来なくてもチケット予約が出来ること。我々の場合前日夜遅くに電話したが、前から10列目真ん中が取れ、当日上演15分前に劇場前で代金と引き換えだった。
当日行ってみると日本語の出来る中国人女性2人が立って待っていて、チケットを渡してくれた。

マキちゃん、カンフーを生で見たことあるっ?きっともうないよッ!と、結構コーフンのStella。

「カンフー伝説」は幼い少年が母の元を離れ辛い修行に耐えてカンフーの達人になる過程を描いたわかりやすいドラマ仕立てのミュージカルで、随所にカンフーの技の見せ場だけでなくバレエなど現代のダンスの要素が取り入れられていてなかなか楽しめる。

めっちゃ逆三体型の主役の方の華麗なカンフーの舞に若干目が

左から2番目が主役のおかた。
そしてちっちゃい子供も目を見張る身体能力の高さ。手を付かずに後ろにブリッジみたく沿ったかと思うと、床についた頭頂にほぼ体重をかけずにくるんと回転。その連続技を子供三人でパタパタやられると度肝を抜かれる。

登場するのは殆ど男性、大勢で見せる大迫力のカンフーを見ててなんとなくボリショイの「スパルタクス」を連想した。

やっぱ男は強く美しくなきゃね。

当然、頭で薄い瓦みたいなのを割ったり、槍三本とか針のむしろの上に寝たり、板を蹴り割ったりもする。子供から大人までキレイに丸めた坊主頭のてっぺんが、皆揃って尖っているのは、瓦割りとバック転のやり過ぎですか?


★北京在住の日本女子たち★

あー、満喫したねー!とご満悦のマキちゃんとStella。ご飯を食べに向かった先は、「ワインと焼き鳥」の店、VIN VI(バンビ)。日本みたい!(カンドー)な料理、内装、店員さんも若い日本人、ワインの種類も豊富。

日本人女子会 in 北京!!

マキちゃんのお友達5人の女子会に飛び入り参加したStella。「明日、万里の長城に行こうと思う」と言ったら、予約、した?えっ、してないの⁇ 皆、一斉にiPhoneを取り出してググり始めた。
あらら。そんなに無謀かしらん。ノープラン北京。

旦那さんが旅行関係のレイコさん、早速旦那に電話してくれて「明日の8時半にならないと、ツアーに行けるかどうか確認できないの」と、申し訳なさそう。
フミさん「tour-beijing.comに行ってみて。30USドルで参加できるし、一人で行くよりきっとさびしくないいよ。」と優しく気遣い。
関西人のイクエさん「ほんなのタクシー1日貸し切ったらええんちゃうん。800元(約1万円)くらいのもんやろ」。うう、言いづらいけどStella、観光自体にそんなに興味ないんです・・・そんなに払いたくありまへん。と心の中でつぶやく。

しかし初対面のStellaのために、皆なんて心優しいのかしら。親切心を目の当たりに「行けるとしたら明日しかないんで。やっぱり電車かバスで行くと思います」とは言えませんでした。ツアーは朝8:00とかに出発だから、今から明日の予約は無理だしね。

北京で日本人の優しさに触れて心あったまったStellaは、ホテルに帰ってぐっすり眠ったのであった。

to be continued.