2012年8月30日木曜日

「ロイヤルエレガンスの夕べ」

皆さま

少しご無沙汰していました。
バレエイベント目白押しな夏なのに気付いてみたら8月の投稿が今までで一番少なくて、こりゃーいかん。。。と思いつつ、8月最終週。


今週は、英国ロイヤル&バーミンガムロイヤルによる、「ロイヤルエレガンスの夕べ」を東京と鎌倉とで2回見ました。
スティーヴン・マックレーが好きなので勢いで2枚もチケット取っちゃいました。反省


マックレーは団長?のような感じで皆を引っ張っていて、得意技てんこ盛りのオリジナルの演目をあいだあいだに入れて構成、個性も思う存分発揮といったところでしょうか。


★前振り★

8月26日には渋谷チャコットで出演ダンサーによるトークショーもあったけど、Stellaは行ってない。

左からチー、佐久間、キッシュ、モレーラ
 出演者違いで同日に2回(15:00~はモレーラ、キッシュ、チー、佐久間。17:00~はマックレー、セルヴェラ、崔(チェ)、ラム)あったうち、2回目に行かれたGさんの話によれば、ファン一人ひとりと記念撮影があったとのこと。
羨ましすぎる
しかし大好きなスティーヴンの短パンとむき出しの白い脚にはちょっと引いた。

主催のダンスツアーズ・プロダクションは、FBでもダンスツアーズ・インターナショナル ジャパンという公式ページを持っていますので、英国ロイヤルが御好きな方は「いいね!」を押して購読することをお薦めします。
http://www.facebook.com/home.php?#!/DanceToursInternational.Japan
この「ロイヤルエレガンスの夕べ」に際しても、出演ダンサーそれぞれのインタビュー動画、ロイヤルの公演の写真など、いろんな情報が盛りだくさん。

ちなみに:
ダンスツアーズ・インターナショナルとは何ぞや?
⇒ワークショップやダンスツアー、海外名門バレエスクール、バレエ団のオーディションの数々を、日本を初め世界のバレエ学生にお届け。また、長期/短期バレエ留学のお手伝い(スチューデントサポート)や、海外バレエ団への就職の斡旋(キャリア・サポート)も。

そのダンスツアーズさんが本番前日リハーサルの模様をYouTubeで公開していたのでちぇけらしました。
http://www.youtube.com/watch?v=HeJMIQ3ivuE&feature=plcp
1分25秒あたりのところで、皆がカーテンコールのリハ(?)をしています。
こんなのも練習するのか??微笑ましいですね。

しかしディレクターのジャスティン・マイスナーさん(会場で見かけましたがイケメン紳士です!)からのメッセージというのがBGMとかぶっていて、後半ほとんど聞こえないのが残念です。字幕もないし。折角ならもう少しちゃんと作ってほしかった。


★プログラム★

【演目】 「リーズの結婚」より第1幕のパ・ド・ドゥ              
       振付:フレデリック・アシュトン
       音楽:フェルディナン・エロルド
       ラウラ・モレーラ/スティーヴン・マックレー

「ウィンタードリーム」
                  振付:ケネス・マクミラン
                  音楽:ピョートル・チャイコフスキー
                  サラ・ラム/ネマイア・キッシュ

「ファサード」 
                  振付:フレデリック・アシュトン
                  音楽:ウィリアム・ウォルトン
                  崔 由姫

「海賊」よりパ・ド・ドゥ 
                  振付:マリウス・プティパ
                  音楽:アドルフ・アダン
                  佐久間奈緒/ツァオ・チー

「リーベストゥラウム」*日本初演
                   振付:リアム・スカーレット
                  音楽:フランツ・リスト
                  ラウラ・モレーラ/リカルド・セルヴェラ

休憩 20分

「クローマ」よりパ・ド・ドゥ 
                 振付:ウェイン・マクレガー
                 音楽:J.タルボット、J.ホワイト
                  パ・ド・ドゥ:サラ・ラム/リカルド・セルヴェラ
                  ソロ:スティーヴン・マックレー(特別編集)

「カリオペ ソロ」エリートシンコペイションズより
                  振付:ケネス・マクミラン
                  音楽:ジェームス・スコット
                  ラウラ・モレーラ

「白鳥の湖」より白鳥のパ・ド・ドゥ 
                  振付:マリウス・プティパ
                  音楽:ピョートル・チャイコフスキー
                  佐久間奈緒/ツァオ・チー

「ジュエルズ」よりルビーのパ・ド・ドゥ 
                  振付:ジョージ・バランシン
                  音楽:イゴール・ストラヴィンスキー
                  チェ・ユフィ/リカルド・セルヴェラ

「マノン」より第1幕ベッドルームのパ・ド・ドゥ 
                  振付:ケネス・マクミラン
                  音楽:ジュール・マスネ
                  ラウラ・モレーラ/ネマイア・キッシュ

「アイヴ・ガット・ザ・リズム」  
       振付: スティーヴン・マックレー
       スティーヴン・マックレー

 「アンド・ザッツ・ミー」 
       振付: ジョナサン・ワトキンス
       チェ・ユフィ

「エレクトリック・カウンターポイント」 
       振付: クリストファー・ウィールドン
       音楽: バッハ
       リカルド・セルヴェラ

「水に流して」 
       振付: ベン・ヴァン・コーウェンバーグ
       音楽: エディット・ピアフ
       サラ・ラム


「サムシング・ディファレント」 
       振付:スティーヴン・マックレー
       スティーヴン・マックレー




★感想。★

Stella的に演目としてすごく良かったのはいくつもあって、
①エディット・ピアフのシャンソンに合わせて踊ったサラ・ラムのソロ「水に流して」
②「クローマ」よりパドドゥ(サラ・ラム、リカルド・セルヴェラ)
③マックレーのソロ I've got the rythm
④日本初演の作品「リーベストゥラウム」(ラウラ・モレーラ、リカルド・セルヴェラ)

上記を見ると、まるでリカルド・セルヴェラが好きな人みたい。笑
リカルドは支えるのに徹する地味なタイプかと思ってたら、最後に披露してくれたソロが素敵で肉体も美しかったです。
サラファーノフに面影が似ていて(サラ君ファンも同意)誠実そうな彼ですが、スペイン人らしくもう少し明るいオーラを出してくれたらなお良し! でも、超がつくほどいい人( ´∀`)


★ご贔屓マックレー★

元からお気に入りでこの公演の唯一の目的だったと言っていいくらいのスティーヴン・マックレーはもちろん、なんと4演目も踊ってくれて、どれも彼にしか出せない味で素晴らしく、実は彼の踊ったのは全部お気に入りとして挙げたいくらいです。

「リーズの結婚」ではキュートなマックレー
ファンとしてはまさに最高の夏・最高の年(コジョカル・ドリームプロジェクト、世界バレエフェス全幕、A・Bプロとガラに加えて今回)となったワケですが、今年新たにマックレーを見てファンになった人も多いことだろう。

得意のタップダンスを日本で初公開、今回のような手作りイベントだからこその貴重なプログラム!
Stellaはタップ詳しくないけど、どう見てもマックレーのタップは相当ハイレベル。専門家の意見を聞いてみたいなあ。

「I've got the rythm」はタップとバレエの融合、最後の「Something different」はその題名が示唆するとおり、バレエではなくタップ。パンフにも「全く違う自分を見て欲しい」とのメッセージ。
スティーヴンにしか踊れないユニークな作品に仕上がっています。

マックレーがタップの名手であることを知らずに見た人はびっくりしただろうけど英国ロイヤル「不思議の国のアリス」でもマッド・ハッターならぬ「マッド・タッパー」とまで呼ばれていたスティーブンです。


最後の「Something different」はもう完全にタップ。
今回の公演では、下の写真のようにタイはしていなくて、ジーンズに白シャツ、シルエットのステキなジャケットを着用。

ちょっと小人だけどやっぱり好き。




★サラ・ラムのソロと「ウィンタードリーム」★

ブロンドに前髪パッツンのアメリカ美人なサラ・ラム。


「クローマ」ではその美しいラインとどこまでも開いていく体と脚の伸びにただひたすらうっとり。
このウェイン・マクレガーの作品、生で見たのは初めてなのですが、スティーヴンのソロパートは風変わりな振付~って思って見てましたがサラとリカルドのパドゥドゥは流れるように美しくて一瞬たりとも目が離せない。
ウェイン・マクレガーの才能を見た気がします。((((;゚Д゚))))


ソロ「水に流して」ではシンプルな七分袖・膝下丈・Vネックの黒いフレアーのワンピースで出てくる。

この人のピルエットはものすごくシャープ!!ソフトそうな外見と裏腹の切れるような回転に目が釘付けです。速度も早いし、顔が最後まで残っているので余計にそう見えるのだと思う・・・

さすがプリンシパル~一人でもすごく見ごたえがあるわ!!って思う作品でした。

ちなみにこのシャンソンの歌詞はどんな感じかというと、「私は何も後悔しない、感情を集めて燃やした、憤りも悦びも私にはもう必要ない、私はゼロから再スタートするのよ!」といったことを明るく歌った爽快な曲。

先日のバレエフェスAプロでベジャールバレエの「ブレルとバルバラ」も良かったし、シャンソンとバレエの組み合わせ結構好きかも。♪( ´▽`)

「ウィンタードリーム」は打って変わってソフトで女性らしいムード。
はかなげな姿態が役柄にとても合っていると思った。
泣けるわ、この作品。


★バーミンガム・ロイヤルのお二方もグー!!★

チーと佐久間さんも、「海賊」「白鳥」とまさに定番!な演目をきっちりと美しくノーブルに踊ってくれて、このペアが踊る10月の新国立「シルヴィア」(ビントレー版)に期待が高まります。


ツァオ・チーは何年か前「小さな村の小さなダンサー」に主演していて、大好きな映画なので実物見たくて「シルヴィア」を予約したのですが、この「ロイヤルエレガンスの夕べ」でもまさか見られることになろうとは思いもせず。
ラッキー

佐久間さんも容姿も踊りもとってもお美しい
下記、「シルヴィア」の魅力などを語る佐久間さんインタビュー。
http://www.ballet-factory.com/watanabe/sp/index.html



★お久しぶりな「マノン」寝室のPDD★

Stellaがバレエにハマったのは去年マッシモ・ムッルとシルヴィ・ギエムの「マノン」寝室のパドゥドゥを見て以来。それ以来の同演目だったわけです。
やっぱりこのマスネの曲は何回聞いても泣ける!!

ラウラ・モレーラもまあ良かったけど、初めて見たマッシモとシルヴィの「マノン」の寝室のPDDがスタンダードになってしまっている不幸(幸せ)なStellaは改めて、シルヴィって美しい人なんだなと思いました。(マッシモは言うまでもない)
ラウラとネマイアには比較して申し訳ないが。。。

ネマイアはなかなかノーブルで素敵だったような気がする。ラウラと身長差がすごくて、デグリュのターンをアン・オー(上)で支えるときポワントで立ってもやっとだったのが印象深い。

ラウラはコンテのほうが合っていると思いました。
日本初演の作品「リーベストゥラウム」はとても良かった。
振付をしたリアム・スカーレットは若干20代半ば(‼)の男性で、パンフを見てビックリ仰天したくらい完成度の高い作品で、特に振りの美しさのみならず男女の内面深くを描写していたのが印象的。


★お茶目なカーテンコール★

最後のカーテンコールでは、ティアラこうとうの時は普通だったけど、鎌倉30日は皆とっても陽気な感じで何かやりながら出て行こうって決めたんでしょうねきっと。

トリのスティーヴンがタップシューズでカツン、と合図すると、まず下手からサラ・ラムが高速シェネでひたすらくるくる回りながら登場。あまりに回り過ぎたため、ちょっとよろめいて両手を可愛いく❥床についてました。
そして上手からリカルド・セルヴェラがシューっと滑り込んできた。笑。

次に下手からチェ・ユフィがこれまた勢い良く走って来て、きれいに側転を決めたかと思うと、上手からバーミンガムロイヤルの2人が「白鳥」のリフトのまま(けっこう距離あるので辛そう)登場。

対する英国ロイヤルのデグリュ・ネマイヤ、高々とマノン・モレーラを掲げてお出まし。

全員揃って華やかなカーテンコール。
あー、楽しかった!

演目の構成も良く、充実☆のプログラムでした!

fin.

2012年8月22日水曜日

ブエノスアイレス 2°ガラ (ダニール・シムキン他)

グッモーニン。

今朝FBとツイートでシムキン君がつぶやいていましたが、バレエフェス終わって日本から本拠地NYに戻って48時間後にはまたアルゼンチンに飛んでブエノスアイレスでガラ(8/23,24,25)をやる模様。

48 hours in NY and off to Argentina to dance at the 2nd Gala de Buenos Aires at the Teatro Coliseo on August 23,24 & 25. See you there!
YouTubeの動画リンクも貼ってくれています。
http://www.youtube.com/watch?v=Lsnh-uXor1s

今年2012年のガラの予告編みたいなビデオクリップ。
「ドン・キ」「セレナータ」を踊るデジャヴ(フェスと同じ演目だから)なワシーリエフとオシポワ、540度を連発するシムキン君(衣装から察するに「海賊」と「Les Bourgeois」)などがダイジェストでざーっと流れます。彼の540度は本当に軽く鮮やかですね~

個人的に意外なのは、オシポワが舞台袖で十字架切って祈っているところ。

あなた信心深いのね?!

最後の協賛のとこから推測するに、このバレエのガライベントには、ベルリン、英国ロイヤル、ABT、バルセロナ各バレエ団の方々が出るようです。


詳細は、こちら。
http://www.galadeballet.com/

出演予定のダンサーは
5人がアルゼンチン人、
3人ロシア人(シムキン、ポリーナ、ベルリンのディミトリ・セミオノフ)、
2人スペイン人(アンヘル・コレーラってまだ踊ってるんですね)、
あとは1人ずつウクライナ人(サレンコ)、ブラジル人(チャゴ・ソアレス)、キューバ人。

圧倒的に中南米ラティーノ!!なメンツです。



★「ロイヤルエレガンスの夕べ」キャスト変更の裏に★


来週東京と鎌倉で「ロイヤルエレガンスの夕べ」を観に行かれる方も多いと思いますが、当初予定されていたキャストに変更があったのは皆さまご存知のこと。
http://dancetoursproductions.com/news.html

アルゼンチンのこのガラのためだったのですね。

来られなくなったマリアネラ・ニュネスとチャゴ・ソアレスは故郷アルゼンチンで予定されていたガラが日程変更で来日予定と重なったため、と釈明しています。

下記、二人からのレター。

日本の皆様へ
この度、誠に残念ながら、私、マリアネラ・ヌニェスとティアゴ・ソアレスは「ロイヤル・エレガンスの夕べ」への参加を断念いたしました。
以前より出演を予定しておりました母国アルゼンチンでの公演日程が変更され、日本公演と同時期に重なってしまった事が理由です。母国での、またティアゴをパートナーとして開催され
る公演に中心ダンサーとして招聘される事は、私がロイヤル・バレエ団に入団してから、初めての事であり、最終段階の日程変更と言えども、断る事が出来ませんでした。(略)




上記ページではガラの出演者にマリアネラの名前はないですがプログラムを見ますとチャゴと組んで「三人姉妹(Winter Dreams)」「白鳥の湖」を踊るみたい。


サレンコ・シムキンの「雨」「パリの炎」
ポリーナとディミトリ兄妹の「海賊」「デュエット」
など上演のようす。いいなー。

左の2人がポリーナとディミトリ。美形兄妹 ^_^;


★シムキン君「海賊」の歴史★

シムキン君といえばファンの皆様はご存知かもしれませんが、自身でプロデュースしたビデオクリップ「Le Corsaire 'Revisited'」はなかなか興味深かった。
1999~2009までの10年間の進化の様子はなかなか感動的です。(母の気持ち)

1987年生まれだから1999年てことは12歳ですね。12歳に見えない華奢なシムキン君がちょっとヨロつきながら「海賊」アリのヴァリエーションを踊っている姿ははっきり言ってむちゃくちゃ可愛い。
ジャンプとか低っ!みたいな。

バレエフェスのファニーガラ(Stellaは見れなかったから人の話のみだが)で披露した孫悟空コスプレも、シムキン君だから許せるよ・・・・はっきり言って全然脈絡ないけど。可愛いと思います。

シムキン君本人のブログより。妙に美形な孫悟空

11月の「ダニール・シムキンのすべて」が楽しみです。

fin.

2012年8月16日木曜日

世界バレエフェス Bプロ



遂にバレエフェスも今日のガラで終わりですね。
一昨日のBプロ最終日はますます盛り上がったようです。

Stellaは全幕「ドン・キホーテ」「ラ・バヤデール」の他、演目の興味深さからBプロは特に楽しみにしていたため、誘惑に勝てずついつい二回(8/12, 13)観に行ってしまった。テヘ

フェス最終日のガラ(8/16)を観に行かないStellaにとり、このBプロ2日間が締めくくりだった。
オリンピックよりバレエのオリンピックが熱い夏。
これは一生記憶に残る年である。



★Bプロ総括★

①引き続きスティーヴンにホの字❥

マックレーとロホは相変わらずシビれるペアである。
オーソドックスな「ライモンダ」のコスチュームではなく、ステキなイブニング風の衣装で登場した英国ロイヤルのスター組。
プライベートでも常にオシャレなロホは、真っ青なドレスがよく似合って可愛い♡

ロホとマックレー

正直マックレーはやや小人だけど、Stellaはこの赤毛のプリンスを見るたび惚れてしまう。
今回もまた、彼のトゥール・ザンレールを見ていると、空中で回りながら回転速度が増していくかのような錯覚を覚えた。
Stellaの大好きな例のニヒルなスマイルも健在。踊るのが楽しいんだろう、ステップ踏んでるうちにニヤッと得意気な微笑みが浮かんでくるもんだから、またまたStellaのハートは撃ち抜かれっぱなしである。



②アイシュヴァルト・ルグリの「オネーギン」にはやっぱり泣いた。


拍手がひときわ大きかったのはこのベテランペア。
難しい絡みが多い中で流れるような動きに少しもよどみがないのは流石でした。

ルグリ様、まだまだバリすごねっっ ほんとに尊敬しちゃう。

Stella、アイシュヴァルトお姉さまのこと結構好きかもしれない。
テクニック、表現力ともにもう神様の領域。



③オシワシはフェスの華

オシポワ・ワシーリエフの体操選手カップルは、連日出血大サービスの疲れがイワン君の方にはやや感じられたが、さすが世界のスーパースター。"フェスはお祭り"ってことをよく理解していらっしゃるわねっ!



全幕「ドン・キホーテ」に始まりBプロでも「海賊」と、盛り上がる(体力消耗系)演目を選び、観客をおおいに沸かせてくれた。
力の限り闘う姿はまさにバレエのオリンピック

しかしオシポワはStellaから見るとやはり踊りのうまい研ナオコだった。
眉間にシワが寄ったかと思うと、それを緩めると同時に今度は眉をぐっと吊り上げるので額にシワが寄る。
普通のカオで踊って下さい、姫。

大口開けて「エスメラルダ」を踊るオシポワ嬢

そしてワシーリエフは「海賊」も「ドンキ」も基本同じだった。バレエの素人・Stellaなんかには、技の名前も不明なんだけども、さまざまな形に開脚しながらジャンプしてみたり、高速回転してみたり、ステージの端から端まで走り回ったかと思うと、オシポワに向かってひれ伏してみたりひざまずいたり、もう大忙し。

超人的体力及びテクニックも、どこかくすっと笑ってしまうお茶目なイワン君だが、その迫力はやはり生で見ると鳥肌モノである。



④トリの「ドン・キ」を踊ったヤーナ・サレンコは超絶技巧も涼しげな顔でさらりとやってのけるすごい人
ヽ〔゚Д゚〕丿スゴイ

サレンコとシムキン(今回の写真ではありません)

8月13日は12日よりもさらに調子が上がっていて、フェッテの最後に4回転か5回転(←動揺のあまり定かでない)してみんなをビックリ仰天させたよ。



★その他★

★マライン・ラドメーカーはひとりでかなり頑張った。途中の狂気じみた叫びにギョッとしてしまったが、その直後の口笛があまりに巧いのでアブナイ精神状態ではないらしいとホッと安堵。
美しい肉体をいかしたソロでしたが、爽やかイケメンだからこそ成り立つキワものという気もします。


同じシュツットガルトのフリーデマンも、Aプロでは面白いコンテ作品を披露してくれましたが、本当にシュツットの方々は芸達者で多彩ですね。


★オスカー・シャコンの極細の筋肉質な体からは、ちょっと両性具有的な魅力がただよっている。野生動物のような繊細で俊敏な雰囲気。


体はめちゃめちゃリーンで、動くたび腿にcut(筋肉のすじ)が浮き立って最初なんか目が離せなかった。
顔立ちも、小鼻がすごく大きいのに絶妙なバランスで整ってとても美しく、日本でもヨーロッパでもあまりお目にかからないエキゾチック・ビューティーでした。


★エレーヌ・ブシェはAプロでは演目が暗いせいもあっていまひとつ印象が薄かったが、「アダージェット」では長く細い手足を活かし、技術力の高さも目立っていた。なかでも甲の美しさが素晴らしく、目をひいた。
胴ががっしり見えてしまうくらい、あまりに手足が細く長いのですが、持て余すことなく優雅に使っていました。



★ザハロワはアラブ風の音楽に乗せて流れるように美しい踊りを見せており、ロングスカート・ロングスリーブでも隠すことのできないラインやポーズの美しさにはっとさせられた。


ペアを組んでいるメルクーリエフははっきり言ってパッとしない
ザハロワの黒子として支えるのはバッチリ息があってたけど、その腹、もしかしてナメてる・・・?(-_-メ)と心の中で突っ込んだぞStellaは。
こんな絶世の美女と並ぶんだから気合いだー気合いーッ!


★オレリー・デュポンはどこまでもすごいらしい。

細かいことよくわかんないStellaだけど、カンペキってこのことねっと思った。
そしてどこまでも美人。にっこりした時、目配せする時など、表情の演技からも目が離せない。
同じくパリオペのこないだエトワールに昇進したジョシュア・オファルト君も、フランス的で綺麗な顔立ちで、ステージからパリの風が吹いてきていたわっ。


★オブラスツォーワ・ガニオ組は、女子2人が踊っているかと見まがうような綺麗さでした。

オブラスツォーワはStella母が好みそうな愛らしいロシア人形のようないでたち。
ピエール・ラコットも振付家冥利に尽きるだろうよって感じの完璧な妖精ッぷり。
難しいテクニックもあらよっと軽く、あくまで妖精です。
あなたその羽根付けて生まれて来たでしょ?!白状したまえ (−_−#)
と思った。

マチュー・ガニオは大きな手がひらひらと優雅に動いて舞も美しかった。
出待ちしていた大勢のファンに飽きもせず丁寧に対応していて、お疲れのところご苦労様です。



★ロパートキナはやはり別格。

凄い。Aプロで見た「ダイヤモンド」はいったい何だったんだ、本当に同じ作品なの?と思った。
ロパートキナは体も動きもポーズもすべて美しく、キラキラぶりが半端なかった。支えるゴメちゃんまでとってもかっこ良く見えました、いや実際素敵でした。

Stellaね、バレエフェス前あんだけ騒いでおいてジョゼ・マルティネス様のこと何も書いてないでしょ。
それは実は彼らの「ダイヤモンド」が地味でなんとなくがっかりしたから。元妻(アニエス・ルテステュ)と組んだこの大人なカップルは落ち着いた成熟のダイヤモンドだった。

だけどねー、やっぱりロパートキナが凄過ぎなんだな多分。




以下、13日のキャストですが基本的に12日も同じでした。


第13回世界バレエフェスティバル  <プログラムB> 
8月13日(月)18:00開演  会場:東京文化会館


■第1部■ 18:00~18:55

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキーポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル

「パルジファル」  
振付:モーリス・ベジャール/音楽:リヒャルト・ワーグナーカテリーナ・シャルキナ オスカー・シャコン

「タイス」(「マ・パヴロワ」より)
振付:ローラン・プティ/音楽:ジュール・マスネ上野水香 マシュー・ゴールディング

「エフィ」
振付:マルコ・ゲッケ/音楽:ジョニー・キャッシュマライン・ラドメーカー

「ライモンダ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:アレクサンドル・グラズノフタマラ・ロホ スティーヴン・マックレー

<休憩15分>


■第2部■ 19:10~20:05

「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフアリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

「ウィズアウト・ワーズ」
振付:ナチョ・ドゥアト/音楽:フランツ・シューベルトオレシア・ノヴィコワ レオニード・サラファーノフ

「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパンアニエス・ルテステュ ステファン・ビュリョン

「ラ・シルフィード」第2幕より
振付:ピエール・ラコット/音楽:ジャン=マドレーヌ・シュナイツホーファーエフゲーニャ・オブラスツォーワ マチュー・ガニオ
東京バレエ団


<休憩15分>


■第3部■ 20:20~21:20

「マーラー交響曲第5番」より"アダージェット" 
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:グスタフ・マーラーエレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン

「シェエラザード」 
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:ニコライ・リムスキー=コルサコフポリーナ・セミオノワ イーゴリ・ゼレンスキー

「アザー・ダンス」
振付:ジェローム・ロビンズ/音楽:フレデリック・ショパンオレリー・デュポン ジョシュア・オファルト

「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴナターリヤ・オシポワ イワン・ワシーリエフ


<休憩15分>


■第4部■ 21:35~22:30

「ル・パルク」
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ/音楽:ヴォルフガング・A.モーツァルトディアナ・ヴィシニョーワ  ウラジーミル・マラーホフ

「コール・ペルドゥート」  
振付:ナチョ・ドゥアト/音楽:マリア・デル・マール・ボネットスヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・メルクーリエフ

「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキーウリヤーナ・ロパートキナ マルセロ・ゴメス

「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキーマリア・アイシュヴァルト マニュエル・ルグリ

「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクスヤーナ・サレンコ ダニール・シムキン


指揮:ワレリー・オブジャニコフ  
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 
 
ピアノ:髙橋 望 (「椿姫」「アザー・ダンス」「ル・パルク」)


追記。

★コボー氏とコジョカルの「ロミジュリ」にも実はちょっと泣けた

Stella自身含め、周囲からもつねづねどちらかというと不人気のヨハン・コボー氏であるが、このBプロでのロミオはなかなか感動的だった。
いつもはフィアンセ・コジョカルを輝かせるためのサポートに徹する献身的なコボー氏が、コジョカルよりも光って見えたレア・モーメントであった。 Σ( ̄。 ̄ノ)ノ

見直したゾ(*☻-☻*)



★もはやお決まり、ゔぃしにょーわのチュー

まただよ。(−_−#)

全幕「ラ・バヤデール」ではパートナーのゴメスとカーテンコールでらぶらぶしていたディアナだが、Stellaの予想は的中。

Bプロ「ル・パルク」のカーテンコールでも、マラーホフと口づけを交わしておいででした。12日,13日両方ね。(11日を観に行ったT子は目撃しなかったらしいが)

おねいサン… (´ε` )♡
そんな節操のない…

でも「ル・パルク」はけっこう良かった。あれはヴィシ様やマラーホフ王子くらい個性とオーラがある人が踊らないと厳しいだろうと思われる。
しかしヴィシの白シャツには王子のファンデが落ちて付いちゃうのに、王子の白シャツにはヴィシのファンデがつかないってのもどうなの?と細かいポイントが気になるStella。(2日間ともそうだった) もしかしてゔぃしにょーわ様は意外と薄化粧なの⁈

彼女を初めて生で見て、前より全然好きになった。不思議な美しさと魅力をたたえた優れたダンサー、ただし、やや節操が無いらしい…。(⌒-⌒; )




てなワケで終わりを告げたStellaの初世界バレエフェス。
内容濃かったなー…

これだけの質と数のダンサー総計37人集めて通算19日間にも渡るお祭りを開催するなんて、日本のバレエ界が世界に誇れる催しですね!
ダンサーとその家族枠の方々の移動と宿泊、東京文化会館の場所代と連日動員されるオーケストラや舞台裏のスタッフなんかも考えると、かなり運営側は大変でしょうねぇ

観るだけのStellaにとっては二度とない夢のような数週間でした。
皆さんホントにありがとうー!
(=´∀`)人(´∀`=)

fin.


2012年8月8日水曜日

世界バレエフェス「ラ・バヤデール」ヴィシニョーワ・ゴメス



見てきました。「ラ・バヤデール」初日!!

ヴィシニョーワとゴメちゃんはよくABT(アメリカンバレエシアター)で組んで踊っているペアです。
今やABTのトップを走るゴメスと、日本で大人気のシムキン君。

シンプルに感想を述べますと:
ヴィシニョーワはやっぱすごい&きれい。
ゴメス・・・・Stella的には????
シムキン君めっちゃかわいー!


★ヴィシニョーワとゴメス★

Stellaの周りの目の肥えたバレエファン達は「ヴィシニョーワ怖い」ともっぱらの評判でしたが、鍛え抜かれた肉体から繰り出される何度の高い技の数々と、リフトされた時の美しい弓なりのラインとか、やっぱり一流のバレリーナにしか出せないな~っていう彼女のオーラにうっとりさせていただきました。


ゴメちゃんは、確かに聞いていた通り「見た目に似合わず繊細な踊り」なことは確か。

でもなー、うーん、なんかぱっとしないと思った。シロウトの目から見たら、多分そんなもんなんです。
Stellaがピピピ☆と反応するのは、ジュテ・アントルラセの時の背中のやわらかさとか、マネージュの時の前足のみならず後ろ足の上がり具合とかだからね。←わかりやす~いヤツね。

でも、ニキヤを裏切ってしまった良心の呵責をすごく感じるソロルで、「いい人」さがにじみ出ていたのは好感を持ちました。



★シムキンのブロンズ像★

仕方ないけどシムキン君出番短い!もっと見たかった。
カオちっちゃすぎて、初めお面かぶって出てきたのかと思ったよ。
Stella、メジャーは嫌いだけど・・・この子は何をやっても可愛いね。

あんなに準備に時間かかりそうな全身ゴールドペインティングなのにね・・・・こんなに少ししか出ないなんて勿体無い。

・・・・にしても金のふんどし状態のこの衣装。
君のお尻に塗料塗ったの、誰・・・?!
なんて思ったStellaをお赦し下さい、神様。


第13回世界バレエフェスティバル 全幕特別プロ 
「ラ・バヤデール」


振付・演出:ナタリア・マカロワ(マリウス・プティパ版による)
振付指導:オルガ・エヴレイノフ
装置:ピエール・ルイジ・サマリターニ
衣裳:ヨランダ・ソナベント

◆主な配役◆

ニキヤ(神殿の舞姫):ディアナ・ヴィシニョーワ
ソロル(戦士):マルセロ・ゴメス
ガムザッティ(ラジャの娘): 奈良春夏
ハイ・ブラーミン(大僧正): 後藤晴雄
ラジャ(国王):木村和夫
マグダヴェーヤ(苦行僧の長):高橋竜太
アヤ(ガムザッティの召使):崔美実
ソロルの友人:柄本弾
ブロンズ像:ダニール・シムキン


【第1幕】

侍女たちの踊り(ジャンベの踊り):矢島まい、川島麻実子
パ・ダクシオン:
高村順子、佐伯知香、岸本夏未、阪井麻美
西村真由美、乾友子、高木綾、渡辺理恵
森川茉央、松野乃知


【第2幕】

影の王国(ヴァリエーション1):田中結子
影の王国(ヴァリエーション2):佐伯知香
影の王国(ヴァリエーション3):高木綾


指揮: ワレリー・オブジャニコフ
演奏: 東京フィルハーモニー交響楽団


★そしてカーテンコール。★

カーテンコールの際、ちょっとしたアクシデント?が起こったことを報告しておこう。

ゴメスがゔぃしにょーわの手を取ったままひざまずき、手の甲に熱い口付けを。ゔぃしにょーわが微笑んでそれを見ていると思ったら、身を屈めてゴメスと顔が接近。見つめ合うやいなや、ちゅぅぅぅっと可愛いく芝居がかったキスをしてました。

さらにその後しつこく、再度カーテンから現れて、ゴメスの肩に頭を乗っけて仲睦まじく寄り添っていた。

おふざけが過ぎますわよっ2人ともっ!
目に毒。


fin.

2012年8月5日日曜日

世界バレエフェス Aプロ

Aプロ出演者:(左から) M.Ueno, M.Golding, A. Cojocaru, J.Kobborg, M.Eichwald, M.Radmaker, S.Mcrae, T.Rojo, J.Martinez, A.Letestu, L.Sarafanov, O.Novikova, D.Simkin, S.Zakharova, A. Merkuriev, P.Connelly, I.Salenko, I.Zelensky, E.Ros, G.Romain, V.Malakhov, M.Legris, D.Vishneva, E.Bouchet, U.Lopatkina, P.Semionova, F.Vogel, I.Vasiliev, N.Osipova, A.Dupont, T.Bordin, C.Yang, M.Gomez


毎日暑いですねー。
今日は外にでたらキケン!!と思ってStellaなんかスペイン人みたくシエスタしちゃったよ


そして日本のバレエシーンも熱い!
レポートに時間かかりましたが、Stellaは世界バレエフェスのAプロ2日目を見てきましたよ!
いやーホットですね~


第13回世界バレエフェスティバル  <プログラムA> 
8月3日(金)18:00開演  会場:東京文化会館


■第1部■ 18:00~18:45

「スターズ・アンド・ストライプス」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ジョン・フィリップ・スーザヤーナ・サレンコ ダニール・シムキン

「モペイ」  
振付:マルコ・ゲッケ/音楽:C.P.E. バッハフリーデマン・フォーゲル

「幻想~『白鳥の湖』のように」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキーエレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン

「ドリーブ組曲」
振付:ジョゼ・マルティネス/音楽:レオ・ドリーブ上野水香 マシュー・ゴールディング


■第2部■ 19:00~19:45

「扉は必ず...」
振付:イリ・キリアン/音楽:ダーク・ハウブリッヒ(クープランの「プレリュード」に基づく)オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ

「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴポリーナ・セミオノワ イーゴリ・ゼレンスキ

「セレナータ」
振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:アメリゴ・シエルヴォナターリヤ・オシポワ イワン・ワシーリエフ

「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カミーユ・サン=サーンスウリヤーナ・ロパートキナ


■第3部■ 20:00~20:55

「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ 
振付:ジョン・クランコ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフマリア・アイシュヴァルト マライン・ラドメーカー

「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"  
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキーアニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス

「ディスタント・クライズ」
振付:エドワード・リャン/音楽:トマゾ・アルビノーニスヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・メルクーリエフ

「パガニーニ」
振付:マルセロ・ゴメス/音楽:ニコロ・パガニーニマルセロ・ゴメス

「ラ・シルフィード」第2幕より
振付:ヨハン・コボー オーギュスト・ブルノンヴィルに基づく/音楽:ヘルマン・S.レーヴェンスヨルドタマラ・ロホ スティーヴン・マックレー


■第4部■ 21:10~22:10

「ブレルとバルバラ」 
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ジャック・ブレル、バルバラエリザベット・ロス ジル・ロマン

「明るい小川」よりパ・ド・ドゥ  
振付:アレクセイ・ラトマンスキー/音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチアリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

「カンタータ」 (世界初演)
振付:ナチョ・ドゥアト/音楽:ヨハン・セバスティアン・バッハディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ

「オネーギン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキーポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル

「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクスオレシア・ノヴィコワ レオニード・サラファーノフ


指揮:ポール・コネリー 
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 
 
チェロ:遠藤真理、ハープ:田中資子(「瀕死の白鳥」)
ヴァイオリン:チャールズ・ヤン(「パガニーニ」)


では、バレエ初心者Stellaの感じたまんまレポート、行きまっす!

★Stellaを泣かせた2演目★

「ブレルとバルバラ」
ジル・ロマン、エリザベット・ロス

感動したのは、ジル・ロマン。

Stellaはシルヴィ・ギエムの「ボレロ」に感動して、モーリス・ベジャールという偉大な振付家の存在を知り、彼と彼のバレエ団を継ぐジル・ロマンに焦点を当てたドキュメンタリー映画「ベジャール、そしてバレエは続く」(BEJART:LE COEUR ET LE COURAGE)を観たことがある。
ジル・ロマン(ベジャールバレエ)
ジルが踊るのを目の前で見たのは初めてで、本当に感動させてくれる素晴らしいダンサーだなと思いました(ジルは1960年生まれで今回出場のダンサーのなかで最年長らしいですが、ちっとも51歳に見えない。Gさんの言うとおり、すでに神の領域?)。来年3月に来日するモーリス・ベジャールバレエ団を見るのが非常に楽しみです!

ジャック・ブレルとバルバラはいづれもフランスやヨーロッパで大変有名なシャンソン歌手で、この作品の冒頭で用いられているジャック・ブレルの「Ne me quitte pas(行かないで)」などはフランス人なら大人も子供も誰でも知っている名曲です(あのStingさえもカバーソングを出していますね)。
Stellaはフランスに少し住んでいたので、こういった曲を聞いたときに仏人の中に沸き起こってくる感情の様々なニュアンスというのが想像出来るんだけど…。仏語を理解せず、曲を知らず、この音楽を音として純粋に受け止める日本の観衆が抱く印象は全く違うのではないかと少し心配になったけれど、その壁を越えるのがきっと偉大な振付であり表現者としてのダンサーなのでしょう。

このベジャールらしい作品はとってもフレンチであると同時に日本を愛したベジャールならではのジャパニーズ・タッチとでも言うべき要素がところどころに見られ(エリザベット・ロスが白い打掛のような衣装を身にまとい、日本舞踊の足運びで舞台を移動するところなど)、興味深いと感じました。

エリザベット・ロス(ベジャールバレエ)


そして「瀕死の白鳥」!!

ロパートキナも泣かせてくれた。
何も言葉が出ません。Stellaはロパートキナも「瀕死の白鳥」も初めて見るから余計にそうなのかもしれない。
サン・サーンスの生演奏がさらに感動を煽ります。


今年11月~12月にマリインスキーが来日しますので、そこでも「白鳥の湖」を堪能させてもらおうと思います。



★印象に残る面白い演目★

「モペイ」
フリーデマン・フォーゲル


こちら「モペイ」は先日ブログでもご紹介した(http://i-diari-di-stella.blogspot.jp/2012/06/danza-award.html)、フォーゲルが受賞したイタリアの栄えある舞踏手賞Danza&Danza受賞の際にも話題になっていましたね。
この演目は世界バレエフェスAプロに急遽追加されたものなので、生で見られる機会が思いがけず訪れてStellaはウレシイ (=´∀`)人(´∀`=)

シュツットガルトバレエきってのスター、いけめんプリンシパルのフリーデマン・フォーゲル。
しかし自分で自分を10回ビンタ!(思わず数えた)しながら舞台袖に消えていったのには思わず笑ってしまいました。素早くお尻歩きをしてみたり。

そんな感じで結構コミカルな振りにも関わらず、フォーゲルの溢れんばかりの魅力は老若男女の認めるところでしょう。メジャー嫌いのStellaもそのリーンな美しい体から放たれるフェロモンに思わずやられそうになりました。(マッシモみたい♡♥←これ、Stella最高の褒め言葉ね。)

強いて言うなら、アゴ割れ過ぎです。


フリーデマンはポリーナ・セミオノワと「オネーギン」第一幕のパドゥドゥにも出演。

先ほどの爽やかかつコミカルなコンテンポラリーのフォーゲルは何処へやら、別人かと思うような雰囲気をまとってすっかり「オネーギン」に変身していたのには舌を巻く。
6月にシュツットガルトバレエ来日で見た、やたらとニコニコしていた「白鳥」のジークフリート王子ともまた違う。

今フェスティバル、いや、今まで見た中で、ジュテ・アントルラセの美しさはピカイチ!!でした。背中の柔らかさでニカ様(ニコライ・ツィスカリーゼ)と張っちゃうかもしれない。ムムム・・・

そして、ポリーナのこと、好きなのかな…?と思っちゃうくらい、包み込む感じがまたイイ。

ちょっと素敵な
ゴメス「パガニーニ」

(バイオリン:チャールズ・タン)
ラストの美しいジャンプ。
自らの振付で自在に舞うABTのスター、マルセロ・ゴメス。
ゴツイ外見だけどお茶目でキュートな中身が見え隠れするパフォーマンスでした。
ファンが多いのもナットクの美しいポーズやジャンプ、そして細かな動きもとても器用にこなしていた。
初めて生で見たけど。。。。あえて言わせていただきますと、腹割れすぎです。(by T子)

Marcelo Gomez and Diana Vishneva photo by Patrick Demarchelier

大人気、オレリー・デュポンとマニュエル・ルグリ
「扉は必ず・・・」

ひときわ拍手の大きかった、ルグリ・デュポンペア。

ルグリ様はやっぱり健在。流れるような動きで複雑な振付もなんのその。
パリオペきっての美人エトワール、オレリー・デュポン。(これまたStellaは初めて実物を拝見)
あなたホントに子供二人も生んだんですか?と聞きたくなるような、バリバリ現役エトワールの堂々たる風格と気品です。

イリ・キリアンの作品にしては、コンテンポラリーを苦手とするシロウト・Stellaにも楽しめるような、面白い作品でした。


★眼福なミューズたち★

やっぱり女王ザハロワ
「ディスタント・クライズ」
M先生の言う「踊るために生まれてきた」ボリショイきってのプリマドンナ。
Stellaの失笑を買った母の「イトヨリで作った人形みたい」発言は実は正しいということ判明の、驚愕の細さと人間離れしたプロポーションはもはやモデル並どころの話ではない。

もちろんテクニックも完璧、ひたすら美しいの一言。

お相手のアンドレイ・メルクーリエフには悪いけど、ザハロワに夢中で全然見てませんでした。ザハロワの相手にしては、ちょっと精彩に欠けるし華が足りない、とセンエツながら思ってしまう。それほどザハロワが圧倒的な美しさと輝きを放っているってことですね。
美しすぎ。
Stella好みのポリーナ・セミオノワ姫もまた本当にお美しい。


でも、これまた身長が高くて「オネーギン」でも”よっこらしょ”的なリフトになってしまっているのは否めないかと・・・
ザハロワやセミオノワ嬢のように美しすぎる人はある意味演じる幅が限られますね。例えばジゼルとか。恋もロクにしたことない16~17の田舎娘にはとうてい見えません(そしてこんなプロポーションの美女たちがオーストリアの村に居たらコワイ)。

★これぞバレエ!な定番演目★

きらりと光る、アイシュヴァルトの「ロミジュリ」(クランコ版)
この方は、舞台での可憐さはピカイチ!ジュリエットを演じても、タチアナを演じてもはまる。うぶな18歳の少女も、中年の人妻も、自由自在。
そしてパドブレの細かい事と言ったらない。無垢な少女の打ち震えるような胸の高鳴りを感じた。



ロホ、マックレーによる「ラ・シルフィード」


結婚を控えたジェームスが妖精シルフィードに恋をして森で戯れるシーン。
幕が開いて森のセットが現れた時にはおおっと思ったくらい、なかなか素敵な装飾。
Stellaの好きなニヒルでダンディーなダンスール・ノーブル、マックレー。

「ドン・キホーテ」他では高速シェネと揺るぎないバランス、美しいトゥール・ザンレールなどで魅了してくれた。 
「ラ・シルフィード」でも正確な足さばきと美しい(これまた高速)アントルシャにStellaはハートを打ち抜かれまくりです。
ズキューーン❥❥


★その他★

コジョカル・コボーペアは爽やかに控えめに

明るい小川(Bright Stream)は初めて見ました。黒地に白の水玉模様のワンピースを身につけた"小さな巨人"コジョカルは本当にピュアな愛らしさ満載で、年齢不詳なルーマニア美少女である。

実生活でもパートナーであるヨハン・コボー(同じ英国ロイヤルのプリンシパル、デンマーク人)と仲良く揃って側転をかますシーンでは、どう見てもコジョカルの方がキレがあるのが気になりました。
コジョカルが公私ともパートナーに選んだこのブルノンヴィルの貴公子ヨハン・コボー氏は振付とプロデュースの才にも長けている。Aプロでロホとマックレーが踊る「ラ・シルフィード」は彼による改訂版である。

「ドン・キホーテ」
サラファーノフ、ノヴィコワ

モンチッチみたいででこっぱちがキュートなサラ君、奥さんにイイとこ見せようと張り切ってるのか、とっても冴えてるジャーン!!
Stellaが思うに、白タイツの似合う男No.1だな。ノーブルでお品が良いから。お行儀のよい感じで好感持てます。
Stellaのお気に入りの一枚。「海賊」を踊るサラファーノフ

 

Stellaの好きなビゴンゼッティ振付の「セレナータ」
オシポワ、ワシーリエフ

こないだStellaのイタリア旅行中、ミラノにたまたま帰って来ていたため公演でお目にかかることの出来た、NY在住のビゴンゼッティ。
マッシモ・ムッル主演の「メディテラネア」(2008)他の振付家でもあり、今を代表するコンテンポラリーの振付家。その彼がオシポワとワシーリエフの為に振り付けたという、なんとも南イタリア・地中海な雰囲気のこの作品。
先日ミラノで見た「H più」「Absolutely Free」とビゴンゼッティ版「ロミオとジュリエット」、マッシモの「メディテラネア」、ロシアとアメリカのダンサーによる「Kings of the Dance Opus 3」など、どれを見ても斬新で素晴らしかった。もっと色々見てみたいです。


あと特筆すべきは、「海賊」を踊ったイーゴリ・ゼレンスキーのマネージュが美しかったことと、トップバッターで「スターズアンドストライプス」に出演したダニール・シムキン君が可愛さ炸裂!!だったことかな。「ラ・バヤデール」で「黄金のブッダ」、全身金色ペイントのコスプレを見るのが楽しみだ。

Daniil Simkin in Stars and Stripes

fin.