2011年11月11日金曜日

王は踊る ~Luis XIV~



バレエにはまったついでに



私のお気に入りの元バレエダンサーの話もしたいと思います。







じゃじゃん!


これ、ルイ14世。


特別イケメンではありません。。。。


むしろ、宮廷画家が精一杯ゴマすって美化した結果がこれだとすると

実物は相当醜悪かもしれない


度重なる戦争と浪費で国家財政に悪影響を与えたとはいえ

彼が作ったヴェルサイユ宮殿とか、やっぱり素敵だわ~





朕は国家なり
L'Etat, c'est moi

とかものすごいことを言ってのけたみたいだけど


生まれながらにして王。 しかも太陽王。 
レベルが違うわね。
さっすが~~




映画 「王は踊る」 Le Roi Danse (2000)

「王は踊る」は ルイ14世とバレエ、そして宮廷お抱えの音楽家だったフィレンツェ出身のJean-Baptiste Lullyを題材にした映画です。



あ。

ルイも好きだけど

ジャンバティストも好き


Jean-Baptiste Lully (1632-1687)


「王は踊る」はこの宮廷作曲家リュリィの目線から描かれています。

彼の音楽にはハマります。




そもそもバレエは昔、イタリアでBallettiと呼ばれ、歌と踊りが一緒になったものでした。
カトリーヌ・ド・メディチがアンリ2世に嫁いだ時にフランスにもたらされました。
詳しくは、こちらウィキペディアをご参照ください。


ルイ14世はバレエに個人的にかなり熱を上げており、自らも踊り、バレエの質を上げるためにフランス王立舞踏アカデミーを設立(1661)するなど、バレエをダンスとして体系づけた貢献者でもあります。






さてここで彼の本格的舞台デビューとなった、夜のバレエ Ballet de la nuit をご覧いただきましょう
15歳のルイ君 すでに全身金色の太陽王コスプレ!

YouTube Ballet de la nuit (1653) - Le Roi Danse


この荘厳で美しくも悲しげな音楽 Ballet de la nuit (Ouverture) も、Jean-Baptiste Lullyによるもの。
当時21歳のLullyはちょうどこのころより宮廷作曲家として王に仕え始めたようです。


舞台に上がる準備をする王のところに、サプライズ!で特注の金色のダンスシューズを持って駆け付けたリュリィに、

Le soleil va bientôt se lever.  Il ne sera jamais prêt.
太陽はじき上る。お前にかまう時間はない。


と言ってのける若き王がかっこよすぎます。

当然 太陽=自分
じき上る、というのはステージに上がる・人前に現れるという意味です。
実際はどうだったかわかりませんが、この映画では、現代でもよくあるように地下からステージへリフトに乗って登場します。まさに太陽がのぼるように。





こちらルイ14世の子役を務めた Emil Tardingくん。
成人したルイ役の Benoit Magimel ブノワ・マジメルの子役に相応しい美形ですね。
高貴な顔立ちというのは冷淡または傲岸不遜な表情さえも美しいのがニクいところ


この女の子のような繊細な美貌。これだけ見目麗しいと、普通ならその後のキャリアに期待なのですが・・・
残念ながら、その後どうしたのかわかりません。





さて映画は8年後に舞台を移します。


22歳になったルイ14世は、宰相マザランが死んだため、母親アンヌ・ドートリッシュによる親政のオ終わりを宣言します。



こちら Idylle sur la paix の曲に合わせて踊る彼です。
変なメイクアップしてますが、俳優さんが美形だからこそ耐えうる演出と思われます。
YouTube Idylle sur la paix - Le Roi Danse






では

ここでしばし ブノワ・マジメルのいい男っぷりをどうぞご堪能ください。




用意はいい







【その1】
太陽神アポロンに扮し踊るルイ14世


これは有名な全身ゴールドペインティングのコスプレ(?)バレエのシーンですが
ブノワだから良いようなものの
実際のルイ14世がこれをやった時を想像するに、ちょっと厳しい。


この時、ルイは32歳。
映画においても、皆が見守る中ジャンプに失敗し宴が中止になった事件が描かれていますが、
これはちょうど彼がバレエを引退した年です。





【その2】
王の肖像画を描きに、皆でお出かけの巻。

画家と共に、リュリィの音楽隊の生演奏つきで草原へ。
いつでもどこでも音楽と一緒みたいです。


馬にまたがり戦の指揮を執る偉大な王というお約束の構図。


ブノワがやるとこうまで美しい構図も

実際の肖像画はこんなもんです。 (がっかり)











【その3】
オペラを鑑賞する王

リュリィの関心はそのうち、バレエ用の instrumental music よりも、彼の出身地イタリアが誇るオペラへと移っていきます。



そんな彼を冷ややかに見つめるルイと王族。もちろんオペラとバレエという対立関係のせいではありません。度重なる戦争で財政を圧迫され、リュリィやモリエール他、文化人に対する出資はできなくなった模様ですが、それ以外の理由ももちろんあったのでしょう。
映画ではこのシーンの冷たい態度がリュリィとの関係性の変化・分岐点を表しています。


こんなコミカルなチョビヒゲ&ヅラさえも


イケメンがやるとかえって美貌を際立たせるという。

長髪のカツラも似合っていますね。
本当は、ルイ14世は背が低いのを誤魔化すために、ハイヒールだけでは足らずカツラをかぶっていたというウワサ。









そして








いやん


こういうシーンまでもカンペキな美しさ。
一番ウケるのはこの場面でも、陰から見守るリュリィがBGMを生演奏していることです




本当にそんなことがあったんでしょうか。





しかめっつらも美しい。


ちなみに隣で引き立て役になっているのは王の従兄弟のPrince de Contiです。





リュリィ役のこの男優さんも、なかなか魅力的です。(写真左)
難しい役柄だったでしょうに。


でもやっぱり
圧倒的美形と並ぶのは、普通のイケメンにとってつらいはず。





最後に、ラストシーンより。
"La musique ne joue point ce soir"
(今宵は音楽が聞こえない)

Lullyが亡くなった日のシーンです。
晩年は王の寵愛を失うリュリィ、失意の中死んでしまいます。
それでも、いつも彼の音楽とともにあった王は、リュリィの死にやや感傷的になっているものの、あからさまにそれを表さず「音楽」としているところが、また深いですね。


てなわけで



趣味の世界にお付き合いいただきありがとうございます。

1 件のコメント:

  1. コメント初投稿~
    知識のない私が読んでもおもしろい。
    勉強になります。

    応援します。

    maiko

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