2012年3月19日月曜日

エイフマン「アンナ・カレーニナ」



★新国立「アンナ・カレーニナ」★

土曜の午後うちにやって来たT子は、ホルバーグをシアター大画面で満喫して帰っていった。
良かった良かった、と一息ついていたら、会社携帯にメール受信。

休日の会社携帯にメールと来れば、他ならぬM団長こと同僚Mさんからバレエの件。
(※重要※)
「アンナ・カレーニナの外人キャスト、すごく良かったので明日お時間あれば見てください」

「ええっそんな…
もちろん行きます」

M女史オススメとあれば無論、即答即決である。
「カレーニナ」はMさんの好きな演目ということで、日本人キャストも見た上で外人キャストが特に良かったらしい。

翌日のヘアサロンの予約をドタキャンし、早速ネットでチケットを押さえた。


★トルストイ原作「アンナ・カレーニナ」あらすじ★

アンナは夫カレーニンと愛する子どもの3人で暮らしているが、その穏やかな生活はうわべだけで、政府の高官であり世間体を気にかける夫との関係はすでに冷たくなっている。舞踏会で若い将校ヴロンスキー伯爵と出会ったアンナは胸騒ぎを覚えるが、徐々に愛情へと変化していくのを止めることはできない。ついに二人はお互いの愛を確かめあうようになるが、アンナの激しい感情はこれまでの生活を壊してしまう。自分の気持ちに正直になるにつれ、カレーニンの人目を気にかけた偽善的な態度を許せなくなっていく。
アンナは家族との生活よりヴロンスキーと一緒に過ごすことを選び、イタリアへと二人で旅立つ。しかし幸福の絶頂期は瞬く間に過ぎ去り、アンナは良心の呵責に悩まされる。再びペテルブルグにもどってくるが、社交界でアンナは人々の冷たい態度に接し、戻るべき場所のないことを悟る。ヴロンスキーの存在ももはやアンナの孤独を救うことはできない。人生を憎悪に満ちたものとしか見ることができなくなったアンナには、死によって得られる平安を願う。一人駅へと向かったアンナは走りくる列車に身を投げる。

…というザ・ロシア文学‼ ハッキリ言って、超暗い‼ が、人間の内面を鋭くえぐり出すような演出が得意のエイフマンにもってこいの素材と言えます。


★すごいぞ、エイフマン★

折りしも、5月のイタリア・題して「バレエ三昧旅行」を計画していたStellaの目に飛び込んで来たのが、ミラノのアルチンボルディ劇場で上演の、エイフマン・バレエの「アンナ・カレーニナ」。
エイフマン知らないけど、写真を見る限りすごく振り付けが格好良さげ。

でも、ちょうどStellaがイタリアに行く前にイタリア公演は終わっちゃう。

見たかったなぁー…ん?
そしたらなんと、それより早く東京でも見られるではないか。

そうと分かっても直前まで躊躇したのは、最初に見た写真の"オール外人"・"オール・エイフマンバレエ"のイメージが強すぎて、日本人キャストとのミックスってどうなんだろう…との疑問が頭を掲げていたから。
初めて目にしたのはこの写真。これ、日本人に置き換えるの厳しいでしょ?
そのエイフマンからのゲストダンサー3人がメインキャストの本日公演は、やっぱり素晴らしくて、あまりの身体能力の高さと表現力に唖然。
Stellaなんかのボキャブラリーではあの凄さはとても言い尽くせない。

主役をつとめるニーナ・ズミエヴィッツは多分、一人舞台でも十分見応えのありそうな表現力豊か、かつとてもアスレチックなダンサーで、存在感がものすごい。

そして、数え切れないほどの複雑で難しいリフトをこなしながら、身体言語で訴えてくる…

「圧倒」とはこういう事なのですね。

せめて、これを見てください。↓
http://teatroarcimboldi.it/event.php?id=305&v=video

ミラノのアルチンボルディ劇場のサイトより、10分のダイジェスト動画。
しかも、ここに出ている主人公アンナとカレーニン(夫)は昨日と同じキャスト、ニーナ・ズミエヴェッツとオレグ・マルコフのようにみえます!

エイフマンの振り付けは凄いの一言。「ロシアバレエ界の鬼才」の呼名もうなづける作品でした。


★エイフマンについて★

監督のボリス・エイフマンのプロフィール、新国立劇場のウェブより抜粋。↓

現代演劇界の第一人者であり、サンクトペテルブルグ国立アカデミー・バレエ劇場を創設し、その芸術監督を務める。(中略) 劇場のレパートリーに対応するように肉体による思想表現を行う特異なバレエ団が形作られてきた。ダンサーはクラシックバレエも現代舞踊も自在にこなし、演出家の意図を絶妙に具現する集団である。…

そのバレエ団からやって来た3人のダンサーを見ただけでも、上記は納得出来ちゃう。
いつかフルキャストでエイフマンバレエ団が観たいです。


誘ってくれたMさんに、いつものことながら、感謝です。

fin.

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